子供をつくる事に躊躇している友人夫婦に聞いたことがある、「子供が生 まれて幸福な時代かを疑問に感じる」と。この子が御腹に居る間に、湾岸 戦争は終結を迎え、何が「正義」かの議論が湧き起こる。ソ連では湾岸調 停のために外交官が奔走し、自らの共和国の独立問題と経済破綻に苦しみ ながらクーデターとその失敗を経験した。日本では、大戦の責任を明確に せずに平和維持軍の問題が論じられ、支持率65%の海部内閣が自民党内だ けの議論で倒れようとしている。そして、南ア共和国では、永年のアパル トヘイト政策に終止符が打たれる。人類は、未だ何処に行くのか見えてこ ない。悠澄の時代にはもう少し人類が賢くあって欲しい。この子のおかげ で、何かをしなければならないと思い始めてきた。
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