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さよなら、わが町の”ゆばーば”サン。

昨日、駅前の安売りスーパーが閉店した。理由は改築。確かに老朽化は明らかだったけれど、販売購入プロセスには問題は無かった。ただ、災害時のことを考えると少し厳しいという印象。それでも安売り店が減るというだけでない寂しさがある。

その店は他店にない趣があった。若い人は基本的にはバックヤードで搬入系で余り表には出てこない。レジは熟年おばさんたちが中心で、時々中年層も入るけれど、元気があるのは高齢層。元気さを醸し出しているのは、かなり理想的なテキパキ感。変にかしこまった感もないし、変に馴れ馴れしさもない。昔の個人商店とスーパーの間くらいの肌感。

その中でも好きだったのが、密かに「ゆばーば」と読んでいたオバさん。もちろん個人的な話をしたことはないし、名前を知ろうとも思ったことはない。でも、そのカゴを受取ってから、コード読み取り、手提げ袋の有無確認(袋必要なら3円ほど別途必要)、持ってきていれば感謝の言葉、合計金額の伝達、集金、お釣りの返却。の流れがスムーズで見事。別に誰がやっても同じじゃないかと思いきや、彼女がやると安心感が違う。多少彼女の列が長くても、そっちに並んでしまうこともある。

そして、このオバさんだけじゃない。全然タイプは違うのに、安心感は同じな他のオバさんもいる。別に競っている訳じゃなさそう。でも同じ匂いがする。あっさり過ぎリ、ベトつかず。的確に商品と代価を交換してくれる。たまに暇な時間帯に、新人クンたちがレジに並ぶ。横に補佐として立っている時も見たことがあるけれど、威張ってないし、威圧感もない。新人クンたちは必死だけれど、それをカバーするように安心感オーラを出し続ける。

そう言えば、店長も忙しい時にレジに入っていた。全然普通のレジ打ち要員に徹していて、見事だった。あのレジにはそんな文化があるんだろう。何が「サービス」なのかがちゃんと定義されている職場。その中核に「ゆばーば」サンは居たんだと思う。良い年の取り方の見本でもあった。

理想的なマネージメント+教育システムのように思えていたのに。もうあの勇姿が見れない。残念。同じ町だから、どこかでばったり会えるだろうか。生活時間帯が違うから無理かな。会えたなら会釈してみよう。