「■武&山根の展覧会レビュー 起立する言葉──【茨木のり子展】を観て/武 盾一郎&山根康弘 : 日刊デジタルクリエイターズ」を読み、居ても立ってもおられず、見に行く。文字データなら、ほぼ何処ででもガジェットで読める時代に。主な作品は、誰かが何処かに置いてくれている時代に。
閑静な町並みの中、佇む館。壁に書かれた詩。幾つかの遺品。静かに立ち尽くすように読む人々。必死に何かを書き写す人。国家主席さえ、言葉に真摯に向き合わなくなった時代に、本当に突き刺さるような言葉がそこにある。
誰かの編集。その力も思い知る。単なる人気投票ではない。茨木のり子が分かるように、細心の配慮が、その通路にある。ナビゲーション。深い時間をありがとうございました。
あ、でも茨木のり子氏の実像は、私には不要だった。本人朗読も、司会進行役も。ただただ、文字に向き合った痕跡と、その結果遺された言葉だけで充分。